はじめに
築20年以上の持ち家に暮らしていると、家の老朽化だけでなく「光熱費の高さ」に頭を抱える方は少なくありません。電気・ガス・水道といった光熱費は毎月必ず発生する“固定費”であり、住宅ローンを完済していても家計を圧迫し続けます。
特に40代・50代に差し掛かると「老後資金を少しでも守りたい」という意識が強くなり、固定費の見直しは避けて通れません。この記事では、築20年以上の持ち家に住む方が実践できる光熱費削減術を、具体例・補助金・リフォーム方法も交えながら徹底解説します。
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築20年の持ち家が光熱費で不利になる3つの理由
なぜ、築20年の家は新築の家よりも光熱費が高くなりやすいのでしょうか?その主な理由は以下の3つです。
1. 断熱性能の低さ
築20年以上の住宅は、現在の省エネ基準より断熱性能が低い場合がほとんど。壁や天井の断熱材も劣化しており、夏は冷房が効きにくく、冬は暖房を入れても寒いという状態になりがちです。その分、冷暖房費がどんどんかさんでしまいます。
2. 設備の老朽化
長年使い続けた家電や設備は、どううしても効率が悪くなります。
- 給湯器 → 10〜15年が寿命と言われています。古い給湯器は熱効率が悪く、ガス代や電気代が増える原因になります。
- エアコン → 10年以上前の機種は、最新機種に比べて電気消費量が大きく、冷暖房の効率も劣ります。
- 冷蔵庫や洗濯機 → 常に電源が入っている家電は、古いものだと新しいものに比べて電気代がかさみがちです。
3. 光熱費単価の上昇
電気代・ガス代ともに近年は値上げ傾向にあります。築20年の家は「古い設備 × 単価の上昇」で、光熱費が二重に負担になっているのです。

【診断チェック】あなたの家の光熱費は割高?
以下の項目に3つ以上当てはまるなら、光熱費を払いすぎている可能性が高いです。
- エアコン・給湯器・冷蔵庫が10年以上前のもの
- 電気料金は地域の大手電力会社の従来プランのまま
- プロパンガスを契約しているが業者を変えたことがない
- 窓がシングルガラスで結露しやすい
- 夏は冷房を入れても部屋が冷えにくい
- 冬は暖房を入れても足元が寒い
- 電気代・ガス代・水道代の合計が月3万円以上
今すぐできる!光熱費を見直す4つのステップ
光熱費を削減するためには、闇雲に取り組むのではなく、計画的に進めることが大切です。以下のステップに沿って、効率的に削減を目指しましょう。
ステップ1:電気・ガスの契約を見直す
最も手軽で大きな効果が期待できるのが、契約プランの見直しです。
- 電気
電力自由化により、今では電力会社を自由に選べます。各社が提供する家庭の使用量に合ったプランに切り替えるだけで、年間1〜3万円の削減も可能です。 - ガス
都市ガスはプラン比較、プロパンガスは業者乗り換えで大幅な節約につながります。プロパンガスは業者によって価格が大きく異なるため、複数の業者から見積もりをとるのがおすすめです。
ステップ2:設備を省エネ機器に更新
古い設備を最新の省エネ機器に替えることで、長期的に見て大きな節約になります。
- エアコン → 「エコジョーズ」(ガス)や「エコキュート」(電気)は、従来型に比べて熱効率が非常に高く、光熱費を大幅に削減できます。
- 給湯器 → 最新機種は旧型より電気代を30〜40%も削減できると言われています。
- 冷蔵庫・洗濯機 → 古いものから最新の省エネ機種に替えるだけで、年間1万円以上安くなることもあります。
ステップ3:断熱リフォームで冷暖房効率を改善
設備の更新と合わせて、家の「断熱性能」を高めることが根本的な光熱費削減につながります。
- 内窓の設置(二重窓): 既存の窓の内側にもう一つ窓を設置するリフォームです。工事が簡単で、冷暖房費を2〜3割削減できると言われています。
- 床下・天井断熱の強化: 断熱材を追加・交換することで、冬の底冷えや夏の熱気侵入を防ぎます。
- 外壁塗装時の遮熱塗料: 外壁に熱を反射する塗料を使うことで、室温の上昇を抑え、夏の冷房効率をアップさせます。

ステップ4:生活習慣を工夫する
日々のちょっとした工夫も積み重なれば大きな節約になります。
- LED照明への切り替え: 白熱電球や蛍光灯からLEDに替えるだけで、電気代を大きく削減できます。
- 冷蔵庫は物を詰めすぎない: 冷気の循環が悪くなり、電気代がかさみます。
- お風呂は追い焚きより保温カバー: 入浴時間の間隔が短い場合は、保温カバーを使う方が追い焚きより安く済むことが多いです。
- 時間帯別電気プランで夜間に洗濯: 夜間の電気代が安いプランなら、夜にまとめて洗濯・乾燥するのも効果的です。
実際の削減効果シミュレーション
築20年戸建て(4人家族)を例に、これらの対策を組み合わせて場合の削減効果を見てみましょう。
- 電力会社切り替え → 年間 2万円削減
- ガス会社切り替え → 年間 1.5万円削減
- 給湯器をエコジョーズへ → 年間 2.5万円削減
- エアコン2台更新 → 年間 2万円削減
- 内窓設置(補助金利用) → 年間 3万円削減
合計:約11万円/年の節約効果!
これらの対策は、一時的に費用がかかるものもありますが、一度取り組めば毎年10万円以上の固定費削減が期待できます。これは、老後資金の貯蓄に大きく貢献します。
補助金・支援制度を賢く活用しよう
光熱費削減につながるリフォームや設備の更新には、国や自治体の補助金・支援制度が活用できるケースが多くあります。
- こどもエコすまい支援事業: 窓リフォームや高効率給湯器の設置など、省エネ性能を高めるリフォームに補助金が出ます。
- 住宅エコリフォーム推進事業: 高効率給湯器や断熱改修が対象となることがあります。
- 地方自治体の補助金: 内窓設置や太陽光発電の設置など、独自の支援制度を設けている自治体もあります。
👉 補助金を活用すれば、実質的な費用を数十万円も削減できます。 申請には条件がありますが、リフォーム会社が手続きをサポートしてくれる場合がほとんどです。
体験談:光熱費削減に成功したケース
- Aさん(仙台・築22年戸建て)
冬の暖房費が月4万円超え → 内窓設置&給湯器交換で年間9万円削減。 - Bさん(埼玉・築25年マンション)
電気会社を切り替え、冷蔵庫とエアコンを更新 → 年間5万円削減。
(FAQ)
- Q1. 築20年以上の家は光熱費が高いのは当たり前ですか?
-
はい、築20年以上の住宅は断熱性能や設備効率が低いため、光熱費が割高になりやすいです。ただし、電気・ガス契約の見直しや省エネリフォームを組み合わせれば、年間10万円以上の削減も可能です。
- プロパンガスの料金が高いと感じています。どうすればいい?
-
プロパンガスは業者ごとに料金が異なり、地域差も大きいのが特徴です。業者を変えるだけで年間8万円以上節約できるケースもあります。「ガス屋の窓口」のような一括見積サービスを利用すると安心して優良業者に切り替えられます。
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- リフォームは費用が高いですが、補助金を利用できますか?
-
はい。現在は「こどもエコすまい支援事業」「住宅エコリフォーム推進事業」などで窓リフォームや高効率給湯器交換に補助金が出ます。工事費の1/3程度をカバーできる場合もあり、リフォームのハードルは下がっています
- どの設備から優先的に交換したらいいですか?
-
家計インパクトが大きい順におすすめすると:
- 給湯器(ガス代の3割を占める)
- エアコン(冷暖房の電気代削減効果大)
- 冷蔵庫(常時稼働で省エネ効果が長期的)
- 照明(LED化で即効性あり)
- 生活習慣の改善だけでも効果はありますか?
-
効果はありますが、せいぜい年間数千円〜1万円程度。大きく削減するには、契約切り替えや設備更新と組み合わせるのがベストです。
- 光熱費削減で老後資金にどのくらい差が出ますか?
-
仮に年間10万円削減できた場合:
- 50歳で対策 → 65歳までの15年間で150万円
- 60歳で対策 → 75歳までの15年間で150万円
老後資金2000万円問題の一部を、「固定費の見直し」でカバーできる計算になります。
まとめ
築20年以上の持ち家は、光熱費がかさみやすい条件がそろっています。しかし、悲観することはありません。
- 契約の見直し(電気・ガス)
- 設備の更新(エアコン・給湯器・冷蔵庫など)
- 断熱リフォーム(内窓・外壁塗装時の遮熱塗料)
- 生活習慣の改善
これらの対策を組み合わせれば、年間10万円以上の固定費削減も夢ではありません。ローン返済後の家計を守り、安心して老後を迎えるために、今こそ光熱費を見直しましょう。
光熱費の負担を減らすことは、単なる節約ではなく、老後の安心につながります。今こそ行動を起こしてみませんか?
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